【事例】人とAIの共創で、コミュニケーションを進化させる
INTERVIEW
2025/08/13
ジュリオのAIエージェントを導入いただいた企業に、実際に導入してみてどうですかとお尋ねしていく本記事。第1回は、AGSグループ(株式会社AGSコンサルティングとAGS税理士法人を中核とする総合型アカウンティング・ファーム)の皆さんです。コンサルティング業務の中で活用されている「提案サポートAI」について、お話を伺いました。
インタビューを受けていただいたのは......(左から順に)
企画本部 経営企画部 マネージャー 公認会計士 波多野一紀さん
企画本部 部門長 公認会計士 税理士 杉原礼治さん
企画本部 経営企画部 部長 兼 AI推進室 室長 税理士 川上真弘さん
ーAI導入を進めるきっかけはどのようなものでしたか
主に経営企画全般を担当する企画本部内にAI推進室を新設し、相談できるAI開発の会社を探していました。ジュリオさんと進めることになったのは、代表の姥貝さんが公認会計士だったことが決め手でしたね。外部のシステム会社とプロジェクトを進めようとすると、業界理解のギャップが大きく、円滑に進めるのが難しいことが多いんです。その点、姥貝さんに公認会計士としての知見があることが大きな信頼につながりました。

ーAIの導入に際して、どのような課題意識があったのでしょうか
顧客である経営者とのリレーション構築のために、私たちは、丁寧にコミュニケーションを重ねることを大切にしています。そのためには、幅広い経営課題について対話できるように準備する必要があるため、その点においてAIを活用することができないかと考えました。
ー具体的にはどのようなAI開発を?
主に、経営課題に対する提案ですね。「提案サポートAI」と呼んでいます。私たちの組織はここ数年で急拡大しました。以前は100名程度でしたが、今では800名近くになっています。それに伴って、クライアントの規模拡大に伴う経営課題の高度化・複雑化に対する多角的アプローチが急務となってきました。かつては一人のプレーヤーが幅広く相談に乗ることができていましたが、今では専門性の高い組織設計になり、個々のメンバーが抱える情報量も増えています。部署を横断して意見を出し合って提案内容を考えないと対応できない場面も増えてきたため、幅広い経営課題の考察をAIにサポートしてもらうことで、より質の高い提案ができないかと考えました。

ー導入に際して、どのようなハードルがあったのでしょうか
各部署のメンバーを集めて、AIを実際に体験してみるワークショップを実施しましたが、AIに対する理解度に差があり、議論が噛み合わないことが何度かありました。それぞれのリテラシーに差があることを前提に、誰でも活用できるシステムにしないといけないというのが、最初に認識した課題でしたね。
ー社内の理解を得るためには何を?
AIへの認識を高めるために、新規事業や生産性向上のためのアイデアコンテストを実施しました。AIを活用したアイデアを募集したことで、他部署からもAI活用に関する相談が増えましたね。また、生成AIでキャラクターを誕生させたことで、社内の関心が高まったことは嬉しい驚きでした。キャラクターの名前を社内公募したのですが、熱量の高い案がたくさん集まり、キャラクターの持つ力を感じました。

AIによって誕生したキャラクター「アト」と「ホム」
ージュリオとの連携で特に良かった点は何ですか
設計が確定してから、2ヶ月での開発というスピード感でプロジェクトを進めることができたのは驚きでした。開発の過程でも、設計図を逐一開示しながら進めていただけたため、透明性が高く、納得感のあるプロジェクトになりました。軌道修正もスムーズに行うことができましたし、何より、誠実な対応が印象的で、非常に良い関係性を築くことができたと思います。

AIの設計図
ー実際に導入してみての感想は?
AIのアウトプットとしては、経営課題になり得る事項を幅広く挙げてもらえる点が非常によく、クライアントへの価値提供の向上につながっています。ただし、まだまだ改善の余地はあり、追加開発を前提としています。最初から完璧を求めすぎると、逆に導入が進まないため、まずは実績を出しながら改善していくことが重要だと考えています。

ー財務領域など、失敗の許されない業務において、「提案」というある種クリエイティブな領域にAIを用いることで、効率化だけではない活用をされているのが印象的でした。そこにはどういう狙いが?
人間だけで考えていると、先入観もありますし、効果的な経営への提案を、無意識下で選択肢から除いてしまうことがあります。AIは先入観を持たずに幅広く提案を出すことが得意なので、その特性を活かそうと考えました。
ーAIと人間を組み合わせることで、提案の価値を上げている?
そうですね。人とAIの共創で、よりよい価値を提供していければと思っています。
ー今後、AIに期待する進化は?
AIと普通の同僚のように協働し、チャットグループでのやり取りや、リアルタイムの会議支援などを実現できるといいなと思います。事前情報と今の会話を組み合わせて提案してくれる、まさに秘書のようなAIですね。
ーありがとうございました!
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