生成AI システム

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財務×AIエージェントがつくる未来

INTERVIEW

2025/02/14

ーまずは自己紹介をお願いします

創業者・CEOの姥貝(うばがい)です。ジュリオは、業務用の生成AIをつくる会社です。AIに興味を持ったきっかけは、2017年頃、レシートの文字情報を読み取るAIを自分でつくってみたこと。ここ数年は、ChatGPTをきっかけとした生成AIの波が来ているので、財務×AI領域での起業を決意しました。

ー基本的な質問なのですが、AIエージェントとは何ですか?

いろいろな定義があって、まだはっきりとは定まっていないのですが、私は、「人の代わりに働いてくれるAI」と捉えています。ただ、その働き方が、自律的(自分で考え、判断する)なのか、規律的(決まった事を期待通りに実行する)なのかによって違うので、それらを統合して、適材適所に配置していくことが大切ですね。

ー企業における人事配置と似ていますね

まさに。これからの時代、ますます労働人口が減り、人手不足になっていくと考えられるので、専門的な仕事であっても、AIエージェントの導入が進んでいくことになると思います。

ー公認会計士の資格取得のきっかけは?そもそもどんな学生時代だったんですか?

学生時代は、秋葉原に通って、店員さんに相談し、パーツを買って、PCを組み立てるという、いわゆるPCオタクでした。PCの組み立てを覚えたら、次は、ネットワーク、サーバーと、どんどんのめりこんでいきました。当時は、ちょうど、ITベンチャー全盛期。同じような志向を持つ人たちが活躍しているのを見て、自分との差は何だろうと考えました。どうやら、プログラミングだけ出来ていてもダメで、経済や金融の知識やスキルが大切なのだなと気づきました。そこで、一念発起して、公認会計士の資格を取ることにしました。

ー理系から会計士へと急激に進路を転回できるのがすごいですね

元々ドラゴンクエストが好きだったんですが、キャラクターの育成を間違えた時など、よくリセットして最初からやり直していました。人生においても、リセットが怖くないタイプなんだと思います。事業をピボットする判断も早いです。会計士の勉強はつらかったですが(笑)

ーなぜ財務×AIで起業を?

ジュリオを立ち上げて、最初は別の事業に取り組んでいたのですが、どうにも立ち行かなくなってしまいました。その時取り組んでいた開発を止めて、1ヶ月以内に何かやらないと、せっかく集めた優秀なチームが解散してしまう。そこで、今持っている武器を活かしてできることをと考え、財務とITでの事業に辿り着きました。そこに、生成AIという時代の波が来たので、財務×AIというコンセプトができました。

ー生成AIの登場が大きな要因だったのですね

それまでは、AIというと開発に多くの資金や人材が必要な領域でしたが、生成AIは、AIモデルそのものは提供されるので、アイデアとビジネスをしっかり詰めれば、技術部門をショートカットして事業化できる。そこが大きなポイントでした。

ー仕事において大切にしていることは?

付加価値を出すこと。いらないものを削ぎ落として、本当にユーザーの役に立つ機能に絞ることですね。いちばん大切な一点を見つけるためには、考えるよりも、まずはちょっとやってみて、違ったらすぐにやめる。それを繰り返すことで、付加価値を高めていくことを大切にしています。

ーどんな仲間と働きたいですか?

価値観は共有できるけど、自分とはアプローチが違う人ですね。例えば、コミュニケーション力や人間力がある人。生成AIの時代になって、ある程度、技術は仕入れられるようになりました。そうすると、単純な頭のよさよりも、人間力が必要だと思うようになってきたんです。一時期は、東大の大学院で研究していたエンジニアばかりを集めた企業も多くありましたが、今はAI企業の姿も変わりつつあります。相手の気持ちを考え、そこに付加価値を提供できるチームをつくっていきたいですね。

ーつくりたい未来の姿は?

AI時代の新しい基幹システムをつくりたい。例えば、セールスフォースやSAPのように、世界で必要なシステムとして真っ先に選ばれる企業に成長させていきたいと思っています。金融財務領域はグローバルルールを基準に動いている上、AIはマルチリンガルなので、世界展開しやすい事業だと感じています。

ー話せる範囲で、今展開しているAIエージェントについて教えていただけますか?

開発した「通関AI」が、活躍の場を広げていけそうです。輸出入の際に必要な通関書類の作成は、これまでずっと自動化することができず、限られた専門家が高齢になっても対応していました。「通関AI」があれば、世界中の言語とフォーマットに則った書類を読み取って、通関書類を自動で作成することができます。まさに、「人の代わりに働いてくれるAI」です。ECの拡大によって、物流はますます流通量が増加していく領域なので、今後ますますニーズが増えていくと思います。

ー財務×AIでどのような社会に?

通関だけではなく、建築領域の原価計算など、財務周りの書類作成業務は世界中にたくさんあります。ジュリオが開発するAIエージェントによって、今後、世界中の人手不足の解決に繋がると思っています。

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